Monthly Archives: 9月 2022

【ニュース】河合隼雄学芸賞を受賞しました

このたび『自由という牢獄――責任・公共性・資本主義』(岩波書店)により、第3回河合隼雄学芸賞(河合隼雄財団主催)を受賞しました。

授賞理由
震災や多くの具体的で印象的な例を用いつつ、現代における自由とは何かを論じた作品。敵というものはわれわれに内在している、公共性というのは実は私的な秘密が中心となっているという視点は、個人の心理療法から普遍的なこころを考えようとした河合隼雄の取り組みにもつながる一冊。

受賞に対して
私も河合先生の愛読者の一人ですのでこのような評価を受けて光栄です。日本の研究者としてたいへんオリジナリティのある河合隼雄先生ゆかりの賞を受けられ、うれしく思います。

正式な受賞の言葉や選評は「考える人」2015年夏号(7月4日発売)誌上で発表されます。

河合隼雄財団HPより:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/gakugei/prize/gakugei-755.html

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「ピケティ『21世紀の資本』を越えて」大澤真幸THINKING「O」第12号

「大澤真幸THINKING「O」」最新号、「ピケティ『21世紀の資本』を越えて 超入門から資本主義新論へ」が刊行されました。

大澤真幸が大解剖!ピケティ『21世紀の資本』。
だれでも理解できる超入門から、それを深く展開した資本主義新論へ。
ゲストに経済学者の小野善康氏。グラフを見ているだけでもおもしろいピケティのデータを正確に理解。
そのうえで、焦点はピケティの中心的なテーゼ、 r>g に。
ピケティの大発見のように思われている、この不等式の本当の意味とは何か。
ピケティの議論から、格差の真の原因とこれからの資本主義を考える。
大澤真幸による「超早わかり『21世紀の資本』」も掲載。

〈目次〉
【入門】『21世紀の資本』超早わかり……大澤真幸
【対談】r>gの本当とその先を話します……大澤真幸×小野善康
【論文】格差の原因は“それ”ではない!………大澤真幸

[対談より]
・グラフを見ているだけでも面白い
・成長がなかったから家賃ゼロでいいとはならない
・r>gが大発見として受け止められている驚き
・rとgは本来比べられない
・資本家は資本収入で一銭も食べないという仮定
・お金を貯めたい自分と、使いたい自分
・国債を買う人は金持ちというおかしな仮定
・能力や一生懸命さに応じた格差はあっていい
・多くの人は自分にもrがあることを忘れている
・地位選好こそお金がもっと欲しいと思わせる要因のひとつ
・マルクスとピケティはねじれた関係になっている
・ピケティの議論にぴたりとあてはまる『ゴリオ爺さん』
・アメリカはピケティの理論にぴたりとあてはまらない
など

全国書店、Amazonなどネット書店ほか、左右社への直接注文も承ります。
左右社HP:http://sayusha.com/?p=2033

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