「〈世界史〉の哲学」

発売中の『群像』2012年6月号に連載「〈世界史〉の哲学」第39回が掲載されています。

第39回「闘争としての贈与」

1 贈りあうことで闘う

 筒井康隆の短編小説「毟りあい」を原作にもつ、野田秀樹演出の劇「THE BEE」は、贈与交換の両義性を主題としている。野田の戯曲の方は、二〇〇一年の9・11テロに刺激されて創られたものだが、筒井の原作は、それよりだいぶ前の1975(昭和50)年に書かれている。両者は、四半世紀以上の時間を隔てているが、野田は骨格となる着想を「毟りあい」からそのまま借用しているので、筋に大きな違いはない。ただハチ(bee)というイメージは、戯曲のオリジナルである。

1 贈りあうことで闘う
2 擬態された戦争
3 三つの義務
4 互酬性の二律背反

もくじなど「群像」の詳細は下記の公式HPをご覧ください。
http://gunzo.kodansha.co.jp/10050/14222.html