【新刊】〈世界史〉の哲学 現代篇2 アメリカというなぞ

近代の後に、そして近代の延長線上に大きな断絶が現れることを主題とした「現代篇1」ではフロイトからファシズムまでを論じた。次に探求すべきは「アメリカ」なるものの歴史的な意味は何かである。
熱心なキリスト教国でありながら冒涜的なまでに世俗的、平等を強く唱えながら差別的人種主義が根深く残る。トランプが体現する逆説のアメリカ。どう成立し、いかなる論理と原理によって存立しているのか?
アメリカ的なものへの過激な批判者ハイデガーがどうしてナチスに加担したのか、という問いから考察していく。

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【新刊】西洋近代の罪 自由・平等・民主主義はこのまま敗北するのか

終わりが見えないウクライナ戦争にガザ戦争。トランプ大統領の再選で、自由・平等を基盤とする民主主義がゆらいでいる。ヨーロッパにおける右派勢力の躍進から、選挙のたびに民主主義に亀裂が入っているように見える。社会の現状を的確に分析し、普遍的な価値の意義と日本の取るべき道を問い直す、実践社会学講義。

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【新刊】逆説の古典 着想を転換する思想哲学50選

自明で当たり前に見えるものは錯覚である。事物の本質を古典は与えてくれる。『資本論』『意識と本質』『贈与論』『アメリカのデモクラシー』『存在と時間』『善の研究』『不完全性定理』『君主論』『野生の思考』など人文社会系の中で最も重要な50冊をレビュー。

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【新刊】メディア論集成

メディアによって身体と社会はいかに変容するのか。

その問いを、機械的技術のみならず、文字や声にまでさかのぼり原理的に思考した、大澤社会学の根幹をなす代表作。

関連文書を大幅増補した決定版。

「時代を代表するテクノロジーというものがある。電子的な技術を基礎にしたさまざまなメディアが、われわれの時代にとって、すなわち二十世紀の終盤から二十一世紀に向かおうとする社会にとって、そのようなテクノロジーの一種であることは間違いない。あるテクノロジーが全体としての社会を代表しているように見えるのは、そのテクノロジーが社会を成り立たせている仕組みの必然性に深く根ざしており、それゆえにその必然性を集約的に象徴しているからであろう。ここで私は、メディアの周辺で生起している諸現象を、この必然性との関係で理解してみたいと思う。言い換えれば、メディアが代表しているように見える社会変容を、その原理において把握し、総体として特徴づけることが、ここでの探究の目標である。」(本書より)

【目次】

第Ⅰ部(『電子メディア論』)

まえがき  

Ⅰ 電話するボブの二つの信念
 1 哲学的パズル
 2 葉書の陰画
 3 メディア的体験

Ⅱ 電話の快楽
 1 電話の快楽
 2 遊離する声
 3 伝言ダイヤルとダイヤルQ2
  
Ⅲ メッセージとマッサージ
 1 テレビが私を見ている
 2 いないいない/ばあ
 3 マクルーハン  

Ⅳ 文字の文化
 1 文字が代理したもの
 2 文字の神秘力
 3 文字の機制
 4 国語の成立  

Ⅴ 聞こえない声
 1 内面の「声」
 2 読書革命とフランス革命

Ⅵ マス・コミュニケーションの儀式
 1 ネーションの空間
 2 マス・コミュニケーションの可能条件
 3 火星人と平凡な女

Ⅶ マスコミへの理由なき従属
 1 マスコミの限定的にして強力な効果
 2 田舎の婚礼準備と父親の死刑宣告
 3 二つの声

Ⅷ 超パノプティコンの機能
 1 パノプティコンの理想
 2 二つの「イエス」
 3 裏切られた「神の眼」
 4 直接民主主義の悪夢

Ⅸ 権力の変容
 1 資本の運動過程
 2 モード
 3 権力の変容
 4 死刑囚の映像

付録 オタク論
 1 「オタク」という現象
 2 自己同一性
 3 「オタク」という集合
 4 二次的な投射
 5 シニシズムからの変転

第Ⅱ部(増補)

電子メディアの共同体
 マクルーハンの描いたグローバル・ヴィレッジ/遠隔地ナショナリズムの出現
 マーブル・チョコレートのような世界/オタクの共同体
 極限的に直接的なコミュニケーション/電話の欲望
 裏返しのコミュニケーション/精神の「内面/外面」の決定不可能性
 コミュニケーションとメディアの外形的変化/他者の自己への内在
 権力の遠近法/脱遠近法的権力としての近代の権力
 新聞を読む近代的な主体/「近代的な主体」の夢の実現
 完成した主体こそはもっと惨めな主体である/直接民主主義の悪夢
 家族という関係性の否定/超越的な他者の変容/遠隔地ナショナリズムについて

電子メディアと公共空間
 覆されたマクルーハンの予言/オウムのヘッドギアが象徴するもの
 崩れる「内と外」の感覚/電子メディアは公共空間を作らない
 ネット化がもたらす社会の細分化/情報量が膨大すぎて目的にたどりつけない
 抑圧のない状況に快楽はあるか

インターネットのユーザーはなぜ食中毒事件に関心を示したのか

もう一つの「ハイデガー、ハバーマス、ケータイ」
  ――ジョージ・マイアソン『ハイデガーとハバーマスと携帯電話』解説
 メディアの再身体化と公的な知の不在/脱身体化=再身体化するメディア
 電子メディアの触覚性/公的なるものの不在/侵入する他者への恐怖

対談 メディア(論)とリアリティの現在(大澤真幸×桂英史)
 オウム事件という転換点/「端末市民」と「例外状態」
 「なう」と『世界大百科事典』/「語る」ということ
 メディア論の困難さとおもしろさ/「異端」を発見する
 いまさらあえて「芸術」の役割を問う

ソーシャル・メディアは、ほんとうにソーシャルか?
  ――公共性の残余をめぐる考察
 〈ソーシャル〉であるとき、人は最も自由/つながるのか、断ち切るのか
 ソーシャル・メディアが持つポテンシャルへの期待

あとがき
初出一覧
文献
人名索引

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【新刊】生成AI時代の言語論

「ChatGPTは、人間に匹敵する知性を備えているのだろうか?と、問うこと自体が、ナンセンスである。」

AI研究、認知科学、心理学、言語学の領域を横断。
生成AIによって見えてきた、人間の言語の謎にせまる。

◆対談「生成AIとはなにか?」
AI研究者・松尾豊氏に、ChatGPTを中心とした生成AI研究の現状を聞く。「生成AIの発展によってブルシット・ジョブが増える?」「人間の自由意志は幻想?」
AIによって人間や社会はどのように変化していくのか、AI研究の最先端を追う。

◆鼎談「記号接地する」とはどういうことか?
『言語の本質』(2023年新書大賞受賞)の著者・今井むつみ氏、秋田喜美氏をむかえ、AI研究の重要問題である「記号接地問題」について議論。
オノマトペと言語習得にはじまり、音楽の効用、アブダクション、信仰と「知」の関係性まで縦横無尽に語る。

◆大澤真幸 AIについての論文4本を収録
・ある意味での「資本主義の終焉」
・生成 が人間に近づいている?  いやそうではなく……
・表象能力の非表象的基礎
・人類的コモンズの提唱

【目次】

第Ⅰ部 対談・鼎談
◆生成AIとはなにか?(松尾豊┼大澤真幸)
◆「記号接地する」とはどういうことか? AIから考える人間と言語の関係(今井むつみ┼秋田喜美┼大澤真幸)

第Ⅱ部 論文 ──大澤真幸
◆ある意味での「資本主義の終焉」
◆生成AIが人間に近づいている?  いやそうではなく……
◆表象能力の非表象的基礎 記号接地はいかにして可能か
◆人類的コモンズの提唱 生成AIから考える

全国書店、ネット書店のほか、左右社HP:「生成AI時代の言語論」大澤真幸THINKING「O」020号でもご購入いただけます。

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『〈世界史〉の哲学4 イスラーム篇』講談社文芸文庫版

現在刊行中の「〈世界史〉の哲学」の最初の巻の文庫版が刊行されています (さらに…)

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『〈世界史〉の哲学3 東洋篇』講談社文芸文庫版

「〈世界史〉の哲学 東洋篇」文庫版が刊行されています (さらに…)

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【新刊】我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの

戦後日本社会とは何だったのか。過去・未来と〈分断〉された現在の姿を、『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』なども取り上げながら論じます。 (さらに…)

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【新刊】私の先生 出会いから問いが生まれる

どうして私には「先生」が必要だったのだろうか。見田宗介先生をはじめとする、私の〈先生たち〉についての論集です。 (さらに…)

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【新刊】未来のための終末論

「破局はすでに起きてしまった」

気候危機による“世界の終わり”が決定づけられているとしたら。
現在の資本主義システムの限界が叫ばれるなか、いま私たちは何をなすべきなのか。
2022年に逝去した社会学者・見田宗介=真木悠介の晩年の思想を起点に、“世界の終わり”を回避するための真の選択を探る。

◉マルクス研究者・斎藤幸平との対談
見田宗介晩年の著作『現代社会の理論』『現代社会はどこへ向かうか』の2冊を斎藤幸平氏の「脱成長コミュニズム」と比較し読み解く。
見田の考えるように資本主義はその本質を保持したまま克服可能なのか、それとも資本主義それ自体を捨て「コミュニズム」をめざす必要があるのか。見田、大澤、斎藤三者の思想をつなぐ注目の対談が実現。

◉資本主義の時間論を編み直す、大澤真幸による最新書き下ろし論文
資本主義のメカニズムと問題点、特に経済成長と気候変動のカップリングをどう克服するか。
見田宗介の「純粋資本主義=情報化/消費化社会」によって、現在の資本主義を乗り越えることはできるのか?
脱成長のために「現在に対するコンサマトリーな意識を獲得すること」と「現在のコンサマトリーの充足を克服して、未来の他者のために私たちは行動することが可能なのか?
見田宗介の時間論とベンヤミンの唯物史観を通じて、資本主義から私たちの〈今〉と未来をとりもどす。

さまざまな社会問題がある。私たちが幸福になりたいと望んだときに乗り越えなくてはならない問題や困難は、実に多数多様である。それらのなかのほとんどは、誰かにとっては深刻でも、別の誰かにとってはそれほどの大事なことではない。ある人の幸福や繁栄が、別の人の不幸や貧困によって支えられている場合もある。あるいは、多くの問題に関して、何が解決された状態なのかというイメージが人によって異なっている。時にそれらのイメージは対立し、互いに矛盾しあってもいるので、大きな争いが引き起こされたりもする。
が、ひとつだけ、人類に共通の問題がある。人類どころか、地球上のあらゆる生命にとっての脅威と見なすことができる普遍的な問題が、ひとつだけあるのだ。それは、温暖化を中心にした気候変動がもたらしうる〈地球の生態系の破局〉の危機である。
──大澤真幸「はじめに」より

【目次】

はじめに
【対談】
斎藤幸平┼大澤真幸
〈脱成長〉の現代社会論 「高原の見晴らし」から「脱成長コミュニズム」へ
  脱成長、あるいは「高原の見晴らし」
  マルクス主義の新しい道
  脱するべきは資本主義か
  自由の制限は許されるのか
  ジェネレーション・レフトにみる階級闘争
  「時間」の概念と未来の他者
  マルクスが見たユートピア
  日本で革命は起きるか

【付録】
見田宗介『現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来』概要
見田宗介『現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと』概要
ブックリスト 気候危機と資本主義のその後を考えるために

【論文】
大澤真幸
資本主義とエコロジー
 Ⅰ 資本主義を維持すべきか、捨てるべきか?
  1 市場メカニズムを活用した温暖化対策
  2 加速主義の夢想とジオエンジニアリングの諸提案
  3 脱成長コミュニズム
  4 純粋資本主義としての〈情報化/消費化社会〉
  5 資本主義の内か、外か
 Ⅱ 自然科学︱味方か敵か
  1 自然科学への誤った二つの批判
  2 科学は資本の側にある、なればこそ…
  3 環境倫理の欺瞞と自然科学の真実
 Ⅲ 根を下ろす大地はない
  1 大地の喪失?
  2 カオスとしての〈自然〉
  3 「人間」のヴァージョンアップと「人間」の死
 Ⅳ 
エコロジカルな破局への対策が満たすべき二つの形式的な条件
  1 二つの規範的な条件
  2 内的な衝動
 Ⅴ 資本主義の時間
  1 資本主義の「終末論」
  2 コンサマトリーな意識
  3 加速化する社会
 Ⅵ 〈今の時〉
  1 「移行点ではない現在」のコンサマトリーな充足
  2 過去のうちへの虎の跳躍
  3 最後の審判の脱構築的活用
 Ⅶ 裏返しの終末論
  1 3・11の後
  2 裏返しの終末論
  3 感光板上のイメージのように
  4 〈人間はなお荘厳である〉

全国書店、ネット書店のほか、左右社HP:「未来のための週末論」大澤真幸THINKING「O」019号でもご購入いただけます。

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【新刊】資本主義の〈その先〉へ

破局への可能性を内在させた資本主義というシステムを問い直す論考が刊行されます。 (さらに…)

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【新刊】この世界の問い方 普遍的な正義と資本主義の行方

中国の存在やコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻など、この二年半にわたって論じてきた時事的な評論をまとめた一冊が朝日新書から刊行されます。 (さらに…)

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【新刊】おどろきのウクライナ【共著:橋爪大三郎】

橋爪大三郎さんとの共著『おどろきのウクライナ』が集英社新書から刊行されます。 (さらに…)

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『〈世界史〉の哲学2 中世篇』講談社文芸文庫版

現在刊行中の「〈世界史〉の哲学」の最初の巻の文庫版が刊行されています (さらに…)

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『〈世界史〉の哲学1 古代篇』講談社文芸文庫版

現在刊行中の「〈世界史〉の哲学」の最初の巻の文庫版が刊行されています (さらに…)

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