「〈革命〉とは、このように、不可能だったことを可能にするような変化を、社会運動によってもたらすことを指す。」太田出版より、新刊『可能なる革命』が刊行されています。
私たちは、資本主義の本質的な限界を予感しているのに、その外についての想像力をもてずにいる。しかし、若者の幸福度調査、投票行動、デモへの参加などに読み取れるものは何か。『テルマエ・ロマエ』『桐島、部活やめるってよ』『半沢直樹』『あまちゃん』、そして『バートルビー』が示唆するものは何か。
無意識のうちに変化を、しかも劇的な変化を(その意味で革命を)私たちは求めている。であれば、私たちは、ユートピア(資本のネットワークをこえる普遍的な連帯)を構想できなくてはならない。
社会の夢読みとして、変化・解放・革命の可能性の根を探る14編の論考。多岐にわたる自身の探究の連関と展望を語る終章「革命を待つ動物たち」など、『atプラス』連載に20,000字の書き下ろしを加えた。
〈革命〉が可能なためには、資本の想像力をこえる想像力によって、ユートピアを構想できなくてはならない。資本のネットワークをこえる普遍的な連帯。資本が許容する自由を上回る大きさをもった自由。それらは、思い切って動物の水準にまで遡行しなくては、人間がまさに動物であるということから考え直さなくては、見つからない。〈革命〉の可能性ということについての本書の現状分析と、〈動物と人間〉をめぐる原理的な考察とは、まっすぐに一本の糸によってつながっているのである。「終章より」
〈目次〉
まえがき
Ⅰ
序章 改革? 維新? いやそうではなくて…
Ⅱ
第1章 「幸福だ」と答える若者たちの時代
第2章 若者の態度の二種類のねじれ
第3章 オタクは革命の主体になりうるか
第4章 倫理的/政治的行為の二つのチャンネル
第5章 高まりゆく楽観主義の背後に
第6章 未来からパクる
第7章 〈未来への応答〉
第8章 (不)可能性の過剰
第9章 新しい〈地元〉
第10章 Another World is Possible
第11章 相対主義を超えて
第12章 「呼びかけ」と〈呼びかけ〉
Ⅲ
終章 革命を待つ動物たち
詳しくは、太田出版のHPをご覧ください。
http://www.ohtabooks.com/publish/2016/09/21191940.html