朝日新聞8月20日付「be」にコメントを寄せました。「土下座についてどう思う?」という中島鉄郎記者の記事への以下のコメントが掲載されています。
「多くのモニターの感想と同様に、社会学者の大澤真幸さんも土下座を見て、いい気分はまったくしないという。個別のケースの印象を超え、土下座は誰にでも本能的に嫌な感じを抱かせる姿なのでは、と考える。大澤さんの仮説では、「土下座が、人間としての基本的な条件を自ら否定している」からだ。基本的な条件とは「立っていることだ」。(中略)「人間は立つことで、人間を動物と分け隔てた。だから、立つという姿は基本的な人間の尊厳と切り離せない。相手の前で、両手を地面につけて平伏す土下座は、謝罪や服従の意思を見せるために、その尊厳を自ら否定し、捨て去ってしまう。だから、本来的に不快感を与える姿なのでは」