巻頭言「思想の言葉」

発売中の「思想 2012年2月号」の巻頭言「思想の言葉」に「思想の不法侵入者」が掲載されています。

「思想の不法侵入者」

 人間は、必ずしも、徹底した探究を好まない。人間には、考える欲望やどこまでも知ろうとする好奇心が生来備わっているかのように言われることがあるが、それは誤りである。私が見るところ、人間は一定の水準を超えて考え、知ろうとはしない。むしろ、人間はときに、思考を積極的に拒否しさえする。思考・思想への渇望は、人間の本来的な欲望の中には含まれていないのだ。この事実は、ジャック・ラカンやジル・ドゥルーズがすでに指摘してきたことである。ドゥルーズは、人間をあえて考えさせるには、外部からのショックが必要だと述べ、そのショックを「不法侵入」に喩えている。

以下、全文は岩波書店HPでよむことが出来ます。
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