「可能なる革命」第6回

発売中の「at+」12号に、連載「可能なる革命」第6回が掲載されています。

第6回「若者の態度の二種類のねじれ」

(略)
 われわれが直面している問題をトータルに克服するには、「革命」とでも呼びうる、制度と社会構造の基本的な変革を必要とする。ここで「革命」と呼んでいるのは、非合法的な暴力革命のことではない。今日の民主主義社会では、憲法を含むあらゆる法を、合法的に改変することができる以上、革命が、法を無視した暴力をともなわなければならない理由はない。ここで、革命とは、社会構造をその根拠に遡って変革することである。
 だが、ここに分析してきた現代社会の若者たちの態度は、「革命」の可能性に関して、否定的な展望を含意していないか。現代社会にあるさまざまな困難のどれをとっても、その被害は、若い者に対してより大きくなる。だが、若者たちの多くは、社会が、こうした困難を解消したより幸福な状態へと変化することはないだろうと思っている。したがって、当然、そのように変化を主体的にもたらすことも不可能だと思っているはずだ。このとき、革命など起こりようもないのではないか。
 それでも革命は可能か? 可能だとしたらいかにしてか?
(略)

1. 若者は幸福か——復習
2. 功利主義の盲点
3. コンサマトリーであること——非・自己充足的に
4. 社会志向なのか個人志向なのか

目次などの詳細は太田出版HPからご覧いただけます。
http://www.ohtabooks.com/publish/2012/05/09000000.html