読書週間のはじまる27日の朝日新聞に、『東京プリズン』を上梓した作家・赤坂真理さんとの対談が掲載されています。
「今ひもとく歴史 行く先を照らす」と題して、小説『東京プリズン』のこと、そして「戦後」の問題を語り合っています。
大澤 赤坂さんの小説『東京プリズン』はベンヤミン風の歴史観ですね。彼が読んだら、「俺がやりたかったのはこういうことだ」と言うと思う。彼は「歴史の概念について」で、「〈いま〉によってみたされた時間」を、過去の歴史からたたき出すといいます。いまからでないと見えない可能性が、歴史を振り返ると見える。実際過去に存在していた「ありえたかもしれない選択」を掘り起こすのが、たたき出すということ。
赤坂 「こうすればミッドウェーで勝てた」とか空疎な「もし」でなく、例えるなら私は「撤退戦」が書きたかった。それは戦闘ではなく言葉の領域にあり、ちゃんと行われていない。
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http://www.asahi.com/culture/intro/TKY201210260450.html