発売中の「群像」2012年11月号に連載評論「〈世界史〉の哲学」第44回「国家に向かう社会/国家に抗する社会」が掲載されています。
第44回
1 捨てられてことによって届いた手紙
『トロイラスとクレシダ』(初演1603年)は、シェイクスピアの戯曲の中ではそれほど広くは知られていない。この戯曲の主題は、贈与、もう少し厳密に言えば、女の贈与/略奪とそれに随伴する報復戦争である。ここで言う戦争とは、あのトロイ戦争だ。この戯曲では、トロイ戦争の原因は、スパルタ王メネレーアスの妻ヘレンが、トロイの王子パリスに奪われたことにある。ギリシア側は、ヘレンを奪還するために戦争をしかけたのだ。しかし、戦争が始まってすでに七年が過ぎ、事態は膠着し、両陣営には厭戦気分が拡がっている。この状況から物語は始まる。
(略)
1 捨てられてことによって届いた手紙
2 一般交換
3 中国型システムの初期形態
4 国家に抗する社会
もくじなど「群像」の詳細は下記の公式HPをご覧ください。
http://gunzo.kodansha.co.jp/10050/18190.html