【終了】村上春樹と司馬遼太郎を取り上げ、〈我々の死者〉の喪失(とその克服)について論じます【現代社会論】

朝日カルチャーセンター新宿教室にて開催している「現代社会論」。次回は8月19日に開催します。

 今回は、終戦の記念日の直後でもありますので、〈我々の死者〉の喪失(とその克服)という問題について話をします。〈我々の死者〉というのは、私の造語ですが、「その人たちのおかげで我々の現在がある」「その人たちの思いを我々は引き受けずにはいられない」と思うような死者たちのことです。日本人は、およそ80年前の敗戦のときに〈我々の死者〉を失いました。それだけであれば、ひとつの歴史的な事実の問題ですが、このことが、日本人の〈未来の他者〉への感受性や想像力の貧困ということにつながっているとしたらどうでしょうか。死者の思いを引き受けられない者が、未だ生まれていない他者たちを想うことができるだろうか、と考えると私の言いたいことは理解できるでしょう。
 〈我々の死者〉の喪失という問題にどう対応したらよいのか。〈我々の死者〉をどのようにしたら回復できるのか。このことを主に二人の国民的作家を素材にして考えます。一人は、今年生誕百年を迎えた司馬遼太郎。それ以上に、今回の講義で重要なのは、今年新作長篇小説を発表した村上春樹。二人の小説を読んだことがなくても、講義の理解には支障はありません。
 ひとつだけ、講義の予告のための一言を。村上春樹の初期(というか最初)の短編小説に「中国行きのスロウ・ボート」というふしぎな雰囲気の作品があります。今まで自分が出会ったことがある三人の中国人について回想したあと、「友よ、友よ、中国はあまりに遠い。」という呼びかけで終わります。──大澤真幸

日 時:2023年8月19日15時30分〜17時30分
参加費:全1回=会員3,300円/一般4,400円(いずれも税込)/設備費165円(税込)
(教室とオンラインのハイブリッド形式で行います)

・本講座は教室でも、オンラインセミナーアプリ「Zoom」ウェビナーを使ったオンラインでも受講できるハイブリッド講座です(講師は教室)。パソコンやタブレット、スマートフォンで配信を見ることができます。
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詳細・ご予約は、朝日カルチャーセンター新宿校HP「現代社会論 大澤真幸ゼミナール」で承ります。