社会学・哲学・宗教・歴史・文化など幅広い対象に鋭く切り込む著作を発表する講師。現代社会をいかに論じるべきか、自身の関心のありかを語ります。
◆◇今回のテーマ◆◇
今回は、かねて予告しておいたように、今年2月の総選挙における高市自民党の歴史的な大勝利について分析しながら、現代の日本社会を――さらにそのコンテクストになっている世界の状況を分析いたします。
高市自民党の勝利は、きわめてメリハリの効いた圧倒的なものでした(自民党は単独で衆議院の3分の2を超えた)。他方で、旧立憲民主党に代表されるリベラルは、目を覆いたくなるほどの大敗北を喫しました(旧立憲は、85%もの議席を失った)。
これほど顕著な結果であるにもかかわらず、その原因がもうひとつはっきりいたしません。
選挙直後に繰り返し言われたことは、この選挙は、一種の「推し活」の様相を呈していた、ということです。しかし「推し活」選挙という見方に対しては、有権者をあまりにも愚昧なものと見なしていて(愚かな人が愚かな選択をした)、政治行動の解釈としては不適切だというという批判があり、この批判には、一定の説得力があります。(ちなみに2016年にトランプが大統領に当選したときにも、「愚かな人が……」という説明がたくさんありましたが、今では、そのような解釈は成り立たないことがわかってきています。)
それならば、訴えた政策の違いが選挙結果につながったのか、というと、それもあやしい。消費税率が最も言及回数が多かった政策ですが、メリハリの効いた違いを説明できるほど、人々がこの点に関する自民党と他党との差異に注目したとは思えません。
高市氏は、かなり「右」寄りの政治家として知られています。では日本人が右傾化しているのかというと、信頼できるどの意識調査も、右傾化どころか、むしろリベラルなイデオロギーに賛同する者の方が圧倒的に多いことを示しています。
ならば、どうして、高市自民党は、あれほどはっきりとした勝利を得ることができたのか。視野を日本の限定せずに、コンテクストとなっている世界に広げて考えていくと、原因が見えてきます。そのことが、現在の日本社会とグローバルな社会が、どのような歴史的な状況の中にあるのかを明らかにするでしょう。(講師・記)
日 時:2026/5/30 土曜 15:30~17:30 (回数1回)
会 場:朝日カルチャーセンター新宿教室(〒163-0210東京都新宿区西新宿2-6-1新宿住友ビル10階(受付))
参加費:会員 3,850円(税込)/一般 4,950円(税込)
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