「ユリイカ」2011年5月号に『THINKING「O」第7号』への言及(樫村愛子)

「ユリイカ」2011年5月号角田光代特集号に、角田光代さんとの対談、『八日目の蝉』を論じた『THINKING「O」第7号』が言及されています。

「日常の自明性の欠落を生きる」と題した社会学者・樫村愛子さんの論考において、主人公・薫が「最も深く人に愛され、かつ最も強く人を愛した経験は、誘拐されていたその三年半にある。しかし、それこそが、恵理菜の人生が不幸で不遇になってしまう原因でもある」という経験のねじれを指摘した部分が引かれています。

 フロイトが「不気味なもの」とは自分に近しかったものをのちに禁圧したものであることを指摘したように、愛憎は最愛の多謝に対して裏表に貼り付く感情であるように、革命が急転直下反動的体制に反転するように、人間にとってこの反極的要素が急転/反転し人々の価値観や感情を根こそぎ破壊してしまう困難は、大澤の言うように普遍的なものである。

「ユリイカ」2011年5月号の目次・詳細は、以下の青土社HPより。
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B3%D1%C5%C4%B8%F7%C2%E5