7月10日中日新聞/東京新聞書評:『社会は絶えず夢を見ている』

東京新聞/中日新聞7月10日付けで、『社会は絶えず夢を見ている』が書評されました。
「第一講を除く他の講義をまとめて読めば、彼の言いたいことはきわめて明快である。柄谷行人『世界史の構造』に依拠しながら、社会主義でも資本主義でもない「コミューン主義」への世界史的転回を夢見ている。3・11の大惨事以後の社会から、彼は資本主義の「終わりの始まり」を読み取ろうとしているのである。それが彼の夢見る「(世界同時)革命」の可能性であり、言うまでもなくそれは資本主義の終焉(しゅうえん)を意味している。

大澤はその「徴候」を鋭く感じ取り、意識の領域へと引き出そうとしている。彼が「急いで」いるのはそのためだろう。本書では、とりわけ「リスク社会」に関する考察が秀逸である。

一九九六年の『虚構の時代の果て』以降、大澤は、彼自身の言う「第三者の審級」が不在の時代(『不可能性の時代』)における、個々人の自由な「実践」によってのみ媒介されうる社会変革の可能性を論じてきた。最近はより実践的な政治の領域へと傾斜してきているのもそのためだろう。」
詳細は、下記で読むことが出来ます。
http://www.tokyo-np.co.jp/book/shohyo/shohyo2011071003.html