「〈世界史〉の哲学」第30回

発売中の「群像」2011年8月号に連載評論「〈世界史〉の哲学」第30回が掲載されています。
「「東」という歴史的単位」
第30回「「東」という歴史的単位」

(略)
 仏教が浸透しなかった地域は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった一神教が発生し、普及した地域と重なっている。一神教が、あるいは一神教を広く受け入れさせるような何らかの社会的・文化的条件が、仏教の深い浸透を阻む膜のようなものとして機能しているのではないか。このように仮説を立ててみることができる。これを、「一神教の壁」と呼んでおこう。仏教は、この壁に弾き返されたのだ。
(略)重要なのは仏教そのものではない。仏教を試薬のようなものとして検出することができる、社会的・文化的条件である。それが何かをここではまだ記述することはできない。が、そのような条件があるはずだ、ということが仏教の伝播という指標を用いることで推定することができるのである。
(略)それは、ヘーゲルが「東」と呼んだ領域におおむね重なっている。

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