発売中の「群像」2011年9月号に連載評論「〈世界史〉の哲学」第31回が掲載されています。
「解脱としての自由」
第31回「解脱としての自由」
(略)われわれは、西洋にモデルを見るような近代化は、すべての個人に基本的な自由が与えられるようになる社会への変動であるとする常識をもっている。このように考えると、「自由」は、インドや東洋よりも、むしろ西洋を特徴づけているように見える。だが、「liberté(自由)」あるいは「libération(解放)」は、「解脱」という意味をももっている。このような意味で解すれば、この語は、インド的な何かを、インドによって形容できる文化に一般に孕まれている願望を表現している。「libertéの意味するもの」によって、図と地が反転するように、ガラリと解釈が変わってしまう。だから、エリアーデは、すべてはこの語の意味に依存する、と述べたのだ。
(略)
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