発売中の「群像」2012年9月号に連載評論「〈世界史〉の哲学」第42回が掲載されています。
第42回「贈与の謎を解く」
1.メシアは一日遅れてやってくる
何ゆえに、贈与は、双子の出現がその徴候であるところの危険を克服しうるのか? 前回、われわれは、ヴィクター・ターナーの論考等をもとにして、原初的共同体においてはしばしば、双子の誕生が大きな危機と感じられてきた、という事実を確認した。この危機は、ごくシンプルな方法によって解決が図られる場合もある。つまり、双子を殺害してしまうとか、あるいはその社会的な存在を無視するといったような方法で、双子が共同体にもたらしたと思われる危機を解消するときもある。だが、ターナーが研究対象とした狩猟採集民ンデンブ族のように、双子の危機を、もっと複雑な方法で、つまり贈与という主題と関係づけることによって解決するケースもある。
1.メシアは一日遅れてやってくる
2.トーテミズム
3.贈与の機制
4.謎の「第三の人物」
もくじなど「群像」の詳細は下記の公式HPをご覧ください。
http://gunzo.kodansha.co.jp/10050/16674.html