「〈世界史〉の哲学」第65回 近世篇11「イスラムと反資本主義」

発売中の「群像」2014年9月号に連載「〈世界史〉の哲学」第65回近世篇11「イスラムと反資本主義」が掲載されています。
00_群像_2014年9月号

イスラム圏において近代的な資本主義が速やかに生まれ、成長しなかった要因は、利子(リバー)の禁止である。このような説が、俗耳に入りやすく、広く浸透してきた。コーランが徴利を禁じていることは事実である。そして、利子が正当なこととして社会的に承認されていなければ、資本主義が健やかに成長するのは難しかろう、ということは容易に理解できる。とすると、この仮説には、相応の説得力があるように思える。
だが、[マクシム・]ロダンソンも強調しているように、利子の禁止に原因をもとめるこの説は、正しくない。この点は、われわれもすでに強調しておいた(連載第57回)。利子が、宗教的に禁止されていたという点では、西ヨーロッパも同じである。しかし、まさに、その西ヨーロッパでこそ、近代的な資本主義はまずは生まれたのである。徴利の禁忌そのものが、資本主義の誕生や発展を妨げないことは、この事実からしても明らかだ。(「2 利子ではない利子」より)

1 誰もが解かなかった謎
2 利子ではない利子
3 国庫からの窃盗は窃盗にあらず
4 「アッラーの御心ならば」
5 母のあらかじめの赦し

もくじなど「群像」の詳細は下記の公式HPをご覧ください。
http://gunzo.kodansha.co.jp/27915/36753.html