いままでありそうでなかった、テキストからものごとの本質をつかむ大澤流・読書術を公開した新刊『〈問い〉の読書術』が、朝日新書の1冊として発売されました
「経済」「世界史」「格差社会」などキーワードごとに問いを立て、本を入口に社会を読み解く思考法を明かす。市場はなぜ道徳を締め出すのか、日本人が消費しない真の理由とは、資本主義の核心的謎とは、他者との連帯は可能かなど。朝日新聞デジタル「本の達人」人気連載の書籍化。
【詳細決定!】★本書の刊行記念トークイベントが、10月14日(火)本屋B&B(東京・下北沢)にて開催されます。詳細はこちら。
〈目次〉
まえがき
第1章 経済と規範
市場はなぜ道徳を締め出すのか/マイケル・サンデル『それをお金で買いますか? 市場経済の限界』
貨幣と資本主義の核心的謎に迫るには/岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』
「善い社会」とは何か/佐伯啓思『経済学の犯罪 稀少性の経済から過剰性の経済へ』
世界を知るための包括的な批判的思考は存在するか/廣松渉『今こそマルクスを読み返す』
日本人が消費しない真の理由とは/小野善康『成熟社会の経済学 長期不況をどう克服するか』
第2章 世界史で見る革命
「死者」と「敗者」をいかに救済するか/良知力『向う岸からの世界史 一つの四八年革命史論』
米史の中から無念の敗者を叩き起こすとは/オリバー・ストーン&ピーター・カズニック『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史』
歴史を物差しにする視点とは/岡田英弘『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』
第3章 現代社会と人間関係
「KY」の呪縛から逃れられるか/山本七平『「空気」の研究』
「半沢直樹」はなぜカッコいいのか/池井戸潤『オレたちバブル入行組』
未来の他者との連帯は可能か/ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』
第4章 格差社会時代の希望
あきらめると幸せになるのか/古市憲寿著・本田由紀(解説と反論)『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』
救世主はいるのか/朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』
格差社会の本質はどう解くか/山田昌弘『なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望』
努力は能力のひとつか/苅谷剛彦『学力と階層』
第5章 科学の迷宮
超難問はどう乗り越えるべきか/大栗博司『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』
なぜ人生が狂わされるのか/春日真人『100年の難問はなぜ解けたのか 転載数学者の光と影』
なぜ男と女(だけ)がいるのか/団まりな『性と進化の秘密 思考する細胞たち』
人間原理は神を救済できるか/青木薫『宇宙はなぜこのような宇宙なのか? 人間原理と宇宙像』
第6章 愛と暴力のはざま
「愛国」とは何か/安田浩一『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』
母の「呪術の園」から何を得たか/姜尚中『母』
人が魂を失うときとは/増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』
第7章 本質を問うダイナミズム
原初と文明は共存できるか/網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』
「本質的なこと」を問い続けるダイナミズムとは/内田隆三『社会学を学ぶ』
あとがき
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