まもなく「大澤真幸THINKING「O」」最新号、「日本人が70年間一度も考えなかったこと」が刊行されます。
われわれ日本人は、戦争と平和について戦後ずっと考えてきたつもりでいる。だがしかし――。「大規模なデモをもって強く反対されている法を、きわめて強引な仕方で通過させた政権が、高い支持率を維持しているのはどうしてなのか」その”不可解”な事実を、グラフと数値を使いあざやかに解明! 「敗戦」を乗り越えるための論点は、「九条の純化」そして「積極的中立主義」へと展開する。安保法案成立を嘆くより、日本にはまだ未来のためにできることがあると目が覚める一冊。
〈目次〉
まえがき
【対談】姜尚中と大澤真幸が「敗戦の日」に語る
永続敗戦から抜け出す唯一の道 姜尚中×大澤真幸
【論文】戦争と平和
どうしたら憲法九条は活きるのか 大澤真幸
THINKING「O」13号では、戦争と正義について、日本の敗戦後70年という歴史を受けて考えている。こうした主題に緊急性があると判断したきっかけは、もちろん、安倍晋三内閣によって、集団的自衛権を認める安全保障関連法が提案されたことにある。この法は、すでに衆参両院で可決され、成立している。しかし、この法の審議している過程で――ただし国会内の議論ではなく国会外の状況を通じて――明らかになった問題は、解消されていない。(まえがきより)
姜 ところで、今の集団的自衛権は、国際情勢が緊迫しているから必要だというのですが、緊迫しているとは思えない。
大澤 同感です。問題になっている尖閣諸島は無人島でヤギしか住んでいないのに、領土問題の最大の焦点になっている。ほんとうに緊迫しているのは、日米関係です。
姜 大澤さんから見て、もし戦後の国体があるとすると、これは一国単位では完結しなくなっていると考えていいですか。
大澤 もし戦後の国体として、それらしいものがあるとすれば、これは憲法九条をおいてほかにない。ところが憲法九条は、それが素晴らしいとすれば、おっしゃる通り、日本の中で閉じないから素晴らしいのです。憲法九条は、外交上の基本方針を書いているものです。
(対談より)
★【終了】みなさまのご参加、ありがとうございました!
【イベント】大澤真幸が語る『戦争と平和』90分間集中講義
2015年11月13日19時〜 梅田蔦屋書店4thラウンジ
定員:先着70名
11月初旬より全国書店、Amazonなどネット書店ほか、左右社への直接注文でも販売いたします。
左右社HP:「日本人が70年間一度も考えなかったこと」大澤真幸THINKING「O」第13号