リレー書評「古典百名山」で井筒俊彦『意識と本質』をとり上げました

こんなことができるのは、まず井筒俊彦だけだ。

朝日新聞書評欄のリレー書評「古典百名山」の担当回(No.6、2017年6月11日)で、井筒俊彦『意識と本質』をとり上げました。

本書は、人間の意識がどのように事物の本質を捉えるのか、ということについての考え方の違いを基準にして、イスラームやユダヤ教までも含む多様な東洋哲学を分類し、それらの間の位置関係を明らかにした書物である。東洋哲学全体の地図を作成しようとしているのだ。
こんなことができるのは、まず井筒俊彦だけだ。井筒はイスラーム思想を中心にあらゆる東洋哲学(実は西洋哲学にも)精通していた碩学中の碩学。井筒の前に井筒なく、井筒の後に井筒なし。こう言いたくなる。