新刊『現代宗教意識論』(弘文堂)が刊行となりました。現代における社会現象や出来事を宗教現象として解釈します。
原理的な論考に加えて、現代社会における宗教を論じ、さらに近年広く注目を集めた3つの事件、宮﨑勤事件、神戸連続児童殺傷事件、秋葉原通り魔事件についての論考を収録しています。
すべての偉大な社会学者は、いずれも宗教社会学者でもあった。社会学の個別分野だけではなく、社会学の一般に影響を与えた偉大な社会学者は、いずれも、宗教に特別な関心を寄せていた。彼らは、宗教を、政治や経済や教育といった他の社会現象と並ぶ一領域と見ていたのではなく、それらすべての領域を横断し、 包括するような特権的な現象として扱った。……彼らは、宗教社会学者であるまさにそのことにおいて、社会学者そのものだったのである。社会への全般的な関心が、まずは宗教への関心という形態を取ったのだ。すべての重要な社会学者が宗教社会学者だったのはどうしてであろうか?(本書「序」より)
主要目次
序 社会は宗教現象である
第I部 宗教原理論
第1章 宗教の社会論理学
第2章 中世哲学の反復としての「第二の科学革命」
第3章 法人という身体
第II部 現代宗教論
第1章 悲劇を再演する笑劇——現代日本の新興宗教をめぐって
第2章 父性を否定する父性
第3章 仮想現実の顕在性
第III部 事件から
第1章 Mの「供儀としての殺人」——吉岡忍『M/世界の、憂鬱な先端』をもとにして
第2章 バモイドオキ神の顔
第3章 酒鬼薔薇聖斗の童謡殺人
第4章 透明な存在の聖なる名前
第5章 世界の中心で神を呼ぶ——秋葉原事件をめぐって
下記の弘文堂HPに詳細目次が掲載されています。
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/55139.html