「〈世界史〉の哲学」連載第25回

2月7日発売の「群像」2011年3月号に、連載評論「〈世界史〉の哲学」の第25回が掲載されています。

テーマは「利子という謎」。

 利子は、どうして許容されるに至ったのか? 利子——ラテン語では「usura」と呼ばれていた——を徴収することは、もともと、かたく禁じられていた。が、中世の末期に、それは、いつの間にか許容され、正当なものと見なされるようになった。どうして、このような転換が生じたのか?
 宮廷愛と利子の間に関係があるのか? 無論、直接の関係はない。が、宮廷愛を一般化して、愛の言わば源流にまで遡れば、つまり愛の宗教としてのキリスト教にまで遡れば、「関係がない」どころではない。利子の禁止も、またその許容も、専らキリスト教の問題だからである。

目次の詳細などは講談社HPをご覧ください。
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