【新刊】ブルシット・ジョブと現代思想 THINKING「O」018号

「クソどうでもいい仕事」から抜け出す鍵は、勉強?
先進資本主義国の約1/3が自身の仕事を「ブルシット・ジョブ(クソそうでもいい仕事)」とみなしている、といわれる現代社会。
なぜブルシット・ジョブは増えるのか。その背景にある資本主義の構造とは。
ブルシット・ジョブに対抗する方法を、現代思想の最前線で考える。

◉社会学者・大澤真幸と、哲学者・千葉雅也による対談
千葉雅也『勉強の哲学』の背景にある思想を読み解きながら、勉強がもつ根源的な意味を探る。
「アイロニー」「ユーモア」「享楽」とは。
フーコー、ラカン、ガブリエル、アーレントを横断しながら、「勉強」の意味を解き明かすスリリングな対談。

◉資本主義の内部から、ブルシット・ジョブに対抗する手段を探る!大澤真幸による最新書き下ろし論文
ブルシット・ジョブを増殖させる資本主義の構造を解き明かし、その解決の鍵を『失われた時を求めて』のなかに見つけ出す。
「勉強」と「芸術」の根源的な性質に、ブルシット・ジョブから逃れるための希望を見つける。

◉追悼 見田宗介先生
「学問することと生きることとはひとつのことになりうる」。2022年4月に逝去された、社会学者・見田宗介氏への追悼文収録。
恩師・見田宗介(真木悠介)の思い出を、大澤真幸がつづる。

ブルシット・ジョブは、まだほとんど探究されていない、ほとんどその存在すらも気づかれてこなかった大きな社会問題である。だが、新型コロナのパンデミックは、その知られざる問題を掘り起こす大きなきっかけとなった。
『THINKING「O」』の本号は、ブルシット・ジョブを主題としている。ブルシット・ジョブは、どうして現代の社会経済システムの中でかくも増殖するのか?
ブルシット・ジョブにどう対抗したらよいのか? ブルシット・ジョブのトータルな克服は(いかにして)可能か?
ーーーーーー大澤真幸「まえがき」より

〈目次〉
対談◉千葉雅也+大澤真幸 勉強と仕事 『勉強の哲学』をめぐって
勉強の必要性と必然性
身体なき知の暴走
文理科目とイメージの有無
新実在論とガブリエルの狭間
享楽による「中断」
アーレントと「ブルシット・ジョブ」

論文◉大澤真幸「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)と記号(シーニュ)」
Ⅰ ブルシット・ジョブ現象
1 ブルシット・ジョブ現象
2 ブルシット・ジョブとは何か? それはなぜ辛いのか?
3 グレーバーによる説明
Ⅱ ブルシット・ジョブはなぜ生まれ、増殖するのか
1 行動経済学の二つの実験
2 二種類の物神性― ブルシット・ジョブはなぜ発生し、増殖するのか
3 抵抗の拠点はどこに
Ⅲ 〈記号〉へ
1 失われた時を求めて
2 勉強の物語として
3 資本主義への抵抗としての有意味な仕事

特別付録 千葉雅也 『勉強の哲学― 来たるべきバカのために 増補版』概要
特別付録 デヴィッド・グレーバー 『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』解説(大澤真幸)

大澤真幸「追悼 見田宗介先生との出会い」 

全国書店、ネット書店のほか、左右社HP:「ブルシット・ジョブと現代思想」大澤真幸THINKING「O」018号でもご購入いただけます。